2017年9月12日火曜日

九十九里町手記(番外編)

単なる思い付きですが、「ボイドごっこ」を小学生の皆さんにやって頂いたら、一体どのような結果が出るのか興味を引かれます。

「ボイドごっこ」のルールは、次に挙げる3つだけです。
1. 環境内にある物体(自分以外の生徒を含め)との距離を最小に保とうとする
2. 近隣の生徒たちと歩く速度(速さと向き)を合わせようとする(走らないこと)
3. 近隣の生徒集団の中心に向かって移動しようとする

【準備】
・生徒たちに「ボイドごっこ」のルールを教えます
・生徒たちの動きを記録するために、撮影機材(ホームビデオカメラなど)を用意します
・ある程度の広さ(例えばテニスコート)の場所(以下、環境と呼びます)を用意して、
 その中に幾つかの障害物(例えば跳び箱など)を置きます
・生徒たちを、環境内にランダムに配置します
・一回の試行時間、生徒の人数を決めます(取りあえず、学年は問わないものとします)

【補助ルール】
・環境内にある物体と最小の距離を保つために、両手を腰に当てて肘を張ります
・生徒同士で話をしないようにします
開始の合図で、生徒たちは「ボイドごっこ」のルールにだけ従い、移動するようにします。
最後に「ボイドごっこ」でどのようなことが起きたのか、記録映像を見ながら皆で話し合います。

「ボイドごっこ」に興味のある方がいらっしゃいましたら、こちらのブログまでコメントをお寄せ下さい。

2017年9月5日火曜日

九十九里町手記(124)

人工生命が産声を上げたのは、1971年から1972年にかけての冬のことだと、クリス・ラングトンは回想しています。 1987年9月、ロス・アラモス研究所で開かれた人工生命ワークショップでは、「創発(Emergence)」という言葉が、あちらこちらで飛び交っていたと記されています。

私がクリス・ラングトンのことを知ったのは、ロドニー・ブルックスが提唱したサブサンプション・アーキテクチャに興味を覚えた頃でした。 記憶は曖昧ですが、今から24年前の1993年頃でしょうか。

私が九十九里町に閑居を構えてから、翌々年の2011年に東北地方太平洋沖地震がありました。 正直なところ、それまでは何かに積極的に手を出すつもりはありませんでしたが、このときに発生した原発事故は、私の心に創発を引き起こしたのかも知れません。
最近では、望むことも少なくなってきましたが、この九十九里町で創発を目にしたいという気持ちが、今の行動の原動力になりつつあります。

ここでいう創発とは、個々の性質の集合体が、全体としてその総和を超える性質をもつようになる現象を指します。 どのような条件(環境)が揃えば創発が発現するのか、具体的な数値や条件を挙げることは私の知識の範囲を越えることですが、

1. 規模(個体数)
2. 構造
3. エネルギー

が関係していることは確かなようです。
例えば人的な組織は、東京など大都市の豊富なエネルギー(もの、金)や人口(個体数)を有する環境で多く発生するでしょう。

一方、現実の問題として、九十九里町にそのような環境があるかどうか(或いはそのような環境をつくることができるかどうか)の判断を行うことは難しいと思います。
しかし、過疎に苦しむ他の地域で、高齢者や若い人々が一体となり、地域の活性化を現実のものとしている例も多く耳にします。

そこで私は、創発の条件の中でも、特に「構造」が重要な鍵を握るのではないかと考えます。