人工生命が産声を上げたのは、1971年から1972年にかけての冬のことだと、クリス・ラングトンは回想しています。 1987年9月、ロス・アラモス研究所で開かれた人工生命ワークショップでは、「創発(Emergence)」という言葉が、あちらこちらで飛び交っていたと記されています。
私がクリス・ラングトンのことを知ったのは、ロドニー・ブルックスが提唱したサブサンプション・アーキテクチャに興味を覚えた頃でした。 記憶は曖昧ですが、今から24年前の1993年頃でしょうか。
私が九十九里町に閑居を構えてから、翌々年の2011年に東北地方太平洋沖地震がありました。 正直なところ、それまでは何かに積極的に手を出すつもりはありませんでしたが、このときに発生した原発事故は、私の心に創発を引き起こしたのかも知れません。
最近では、望むことも少なくなってきましたが、この九十九里町で創発を目にしたいという気持ちが、今の行動の原動力になりつつあります。
ここでいう創発とは、個々の性質の集合体が、全体としてその総和を超える性質をもつようになる現象を指します。 どのような条件(環境)が揃えば創発が発現するのか、具体的な数値や条件を挙げることは私の知識の範囲を越えることですが、
1. 規模(個体数)
2. 構造
3. エネルギー
が関係していることは確かなようです。
例えば人的な組織は、東京など大都市の豊富なエネルギー(もの、金)や人口(個体数)を有する環境で多く発生するでしょう。
一方、現実の問題として、九十九里町にそのような環境があるかどうか(或いはそのような環境をつくることができるかどうか)の判断を行うことは難しいと思います。
しかし、過疎に苦しむ他の地域で、高齢者や若い人々が一体となり、地域の活性化を現実のものとしている例も多く耳にします。
そこで私は、創発の条件の中でも、特に「構造」が重要な鍵を握るのではないかと考えます。
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